日本で働いている外国人の中には、
「仕事はできるのに、会社のルールがよく分からない……」
「上司が何を考えているのか分からない……」
「日本人の同僚にどう話しかければいいか分からない……」
と感じたことがある人もいるのではないでしょうか。
日本で仕事をすると、仕事のやり方だけではなく、コミュニケーションや職場の考え方にも違いがあります。
これは、あなたの仕事の能力が低いからではありません。
国や文化によって、「仕事で大切にすること」が違うからです。
この記事では、日本で働く外国人材が知っておきたい職場文化と、実際に使える対応方法を紹介します

① 「日本の会社は分かりにくい」と感じるのは、あなただけではありません
日本の会社で働き始めると、外国人にとって分かりにくい「暗黙のルール」があります。
例えば、
・上司にはどのように話せばいい?
・仕事の途中でも報告したほうがいい?
・分からないことはいつ質問すればいい?
・会議ではどのタイミングで発言する?
なぜすぐに決めないの?
・「大丈夫です」と言われたけど、本当に大丈夫?
このようなことです。
会社のルールは、マニュアルに全部書いてあるわけではありません。
だからこそ、最初は「どうすればいいの?」と迷うのは普通です。
大切なのは、分からないことをそのままにしないこと。
周りの人の仕事のやり方を見たり、質問したりしながら、少しずつ会社の文化を理解していきましょう。
② 「空気を読む」ってどういう意味?
日本の職場では、よく「空気を読む」という言葉を使います。
簡単に言うと、
「相手の言葉だけではなく、その場の状況や相手の気持ちも考える」
という意味です。
例えば、上司から、
「これ、前と同じようにやっておいてください。」
と言われたとします。
外国人からすると、
「前と同じって、どの部分?」
と思うかもしれません。
このとき、分からないまま仕事を始めるのは危険です。
こんなふうに確認してみましょう
「念のため確認させてください。前回と同じ方法で進めればよろしいでしょうか?」
または、
「前回の○○と同じ方法という理解で合っていますか?」
このように、自分の理解を伝えて確認すると、仕事のミスを減らすことができます。
「分かりました」だけで終わらせない
日本の職場では、上司から指示を受けたときに、
「はい、分かりました。」
だけで終わることがあります。
しかし、本当に意味が分からない場合は、質問して大丈夫です。
むしろ、分からないまま仕事をして、後で大きなミスをするほうが問題です。
質問することは、悪いことではありません。 大切なのは、質問の仕方です。
「分かりません。」
だけではなく、
「ここまでは理解できましたが、この部分について確認してもよろしいでしょうか?」
と伝えると、より丁寧です。

③ 日本の会社で大切な「報・連・相」
日本で働くなら、ぜひ覚えておきたい言葉があります。
それが、
「報・連・相(ほう・れん・そう)」
です。
これは、
・報告(ほうこく) → 仕事の状況を伝える
・連絡(れんらく) → 必要な情報を伝える
・相談(そうだん) → 困ったときに相談する
という意味です。
「報・連・相」は、日本の職場でとても大切な考え方です。
報告:仕事の進み具合を伝える
仕事が全部終わってから報告するのではなく、重要な仕事では途中で報告することも大切です。
例えば、
「現在、半分ぐらい終わっています。今のところ問題ありません。」
という簡単な報告でもOKです。
もし問題があれば、
「予定より少し遅れています。明日の午前中までには終わる予定です。」
のように、早めに伝えましょう。
連絡:必要な情報を共有する
例えば、会議の時間が変更になったとします。
自分だけが知っていて、他の人に伝えなかったら困りますよね。
必要な情報は、関係する人に早めに伝えましょう。
相談:問題が大きくなる前に相談する
「自分で何とかしなければ」と考えて、問題を一人で抱え込む必要はありません。
少しでも不安なことがあれば、早めに相談しましょう。
例えば、
「このまま進めても大丈夫か、一度ご相談してもよろしいでしょうか?」
と言えば、自然に相談できます。
報・連・相ができる人は、信頼されやすい
報・連・相は、上司に細かく管理されるためのものではありません。
「この人なら安心して仕事を任せられる」と思ってもらうための方法でもあります。

④ 「根回し」って何?
日本の会社では、新しいアイデアを出すときに、いきなり会議で発表しないことがあります。
その前に、関係する人に話をしておくことがあります。
これを、
「根回し=ねまわし」
と言います。
例えば、新しい仕事のやり方を提案したいとします。
いきなり会議で、
「今日からこの方法に変えましょう!」
と言うのではなく、会議の前に上司や関係する人に、
「このような方法を考えています。どう思いますか?」
と相談します。
すると、事前に意見を聞くことができます。
「ここは問題ないけど、この部分は少し変えたほうがいい」
というアドバイスをもらえるかもしれません。
その意見を入れてから正式に提案すれば、話が進みやすくなります。
ポイント
根回しは、「こっそり話を進める」という意味ではありません。
関係する人に事前に説明して、みんなが理解しやすい状態を作ることです。
日本の会社で新しいことを始めるときには、この考え方が役に立ちます。

⑤ 年齢や勤続年数だけでキャリアが決まるわけではない
日本では、昔から「年功序列」という考え方があります。
これは、簡単に言うと、
年齢や会社で働いた年数が増えると、給料や役職も上がっていく
という考え方です。
ただし、現在の日本企業がすべて年功序列というわけではありません。
会社によっては、
・仕事の成果を重視する
・専門的なスキルを重視する
・外国人社員を管理職にする
・若い社員にも大きな仕事を任せる
など、さまざまな会社があります。
そのため、日本でキャリアアップしたい人は、
「会社に長くいるだけ」ではなく、「自分の強み」を作ること
が大切です。
キャリアアップのために身につけたい3つの力
① ビジネス日本語
日常会話だけではなく、
・敬語
・メール
・会議
・電話
・プレゼンテーション
などの日本語を少しずつ勉強しましょう。
② 専門スキル
例えば、
「日本語が話せるエンジニア」
「日本語が話せるホテルスタッフ」
「日本語が話せるIT人材」
のように、日本語+専門スキルを持つと、自分の強みになります。
③ 人とのつながり
同じ部署だけではなく、他の部署の人とも話してみましょう。
社内で知っている人が増えると、仕事の相談もしやすくなります。
⑥ 時間を守ることも「信頼」につながる
日本の職場では、時間を守ることがとても大切です。
特に、
・面接
・会議
・商談
・研修
・お客様との約束
などでは、余裕を持って行動しましょう。
例えば、10時から面接があるなら、10時ちょうどに到着するのではなく、少し早めに到着することをおすすめします。
大切なのは、
「遅れないこと」だけではありません。
相手の時間を大切にするという気持ちを見せることです。

⑦ 飲み会に参加しないとダメ?
日本の会社では、仕事の後に「飲み会」や「懇親会」があることがあります。
外国人の中には、
「お酒を飲まないと会社で仲良くなれない?」
と心配する人もいるかもしれません。
しかし、お酒を飲むことは必須ではありません。
お酒が飲めない場合は、
「私はお酒が飲めないので、ソフトドリンクでお願いします。」
と伝えて大丈夫です。
参加した場合も、無理に最後までいる必要はありません。
例えば、
「今日はありがとうございました。明日も仕事がありますので、先に失礼します。」
と伝えれば、自然に帰ることができます。
飲み会の目的は、お酒を飲むことだけではありません。
普段仕事であまり話さない人と話したり、お互いのことを知ったりする機会として考えてみましょう。
もちろん、参加したくない場合は無理をする必要もありません。
⑧ 日本の文化に合わせる=自分を変えることではない
日本で働くと、
「日本人と同じようにならなければいけない」
と考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、そうではありません。
外国人材には、外国人材だからこそ持っている強みがあります。
例えば、
・海外での経験
・母国語
・英語などの外国語
・異なる文化への理解
・グローバルな考え方
・海外のビジネス経験
などです。
日本の仕事の進め方を理解しながら、自分の強みも活かしましょう。
「日本に合わせる」だけではなく、「日本の文化を理解して、自分の強みと組み合わせる」ことが大切です。
まとめ:カルチャーギャップを自分の強みに変えよう
日本で働くと、最初は「どうして?」と思うことがたくさんあるかもしれません。
しかし、それは珍しいことではありません。
大切なのは、
「分からない → あきらめる」
ではなく、
「分からない → 理解する → 試してみる」
ということです。
今回紹介した、
・空気を読む
・報・連・相
・根回し
・時間を守る
・相手に合わせたコミュニケーション
・自分の専門スキルを伸ばす
などを少しずつ身につけていきましょう。
そして、忘れてはいけないのが、日本の文化を理解しても、自分のアイデンティティを失う必要はないということです。
日本の文化と自分の経験。
この2つを組み合わせることで、あなたにしかない強みを作ることができます。
日本で働く外国人材だからこそできることがあります。
カルチャーギャップを「壁」ではなく、自分のキャリアを強くするチャンスとして活かしていきましょう。
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