2026.10.08
日本語学校卒業後、日本で働くための就職活動ガイド Part 2

~求人探しから面接、在留資格まで~

1.はじめに:仕事を決めるために、何をすればいい?
前の記事では、
・自分の学歴・経験を整理する
・自分の経歴を日本語で説明できるようにする
・外国人が採用されている仕事を調べる
・必要な日本語力を調べる
・複数の就職プランを作る
ことについて紹介しました。
仕事の方向性が決まったら、次は実際の就職活動を始めます。
日本で働くためには、
求人を探す → 応募する → 面接を受ける → 内定 → 在留資格を確認する → 入社
という流れで準備していきます。この記事では、具体的な就職活動の進め方を紹介します。

2.いつから仕事を探せばいい?
おすすめは、卒業の半年~1年前から少しずつ準備することです。
例えば、3月に日本語学校を卒業する場合、
卒業の1年前
・自分の学歴・職歴を確認する
・希望する仕事を考える
・求人をチェックする
・業界をリサーチする
・必要な日本語力を確認する
・JLPTなどの勉強をする

卒業の6~9か月前
・履歴書を作る
・自己PRを作る
・求人に応募する
・会社について調べる
・面接練習をする

卒業の3~6か月前
・本格的に求人へ応募する
・面接を受ける
・内定後の手続きを確認する

卒業前
・入社日を確認する
・在留資格を確認する
・必要な書類を準備する
というように進めると安心です。
ただし、会社や業界によって採用スケジュールは違います。
自分の卒業時期と希望する仕事に合わせて、早めに準備することが大切です。

3.求人を探すときは、仕事内容だけを見ない
求人を見つけたら、まず仕事内容を確認します。
しかし、それだけでは十分ではありません。
次の項目も確認しましょう。
・外国人採用の実績
・必要な日本語レベル
・必要な資格
・必要な経験
・学歴の条件
・給料
・勤務時間
・勤務地
・仕事内容
・在留資格
・未経験でも応募できるか

特に外国人留学生の場合、
「自分がこの求人に応募できるか?」
を確認することが重要です。

4.履歴書・職務経歴書を準備しよう
応募する会社が決まったら、履歴書や職務経歴書を準備します。
特に大切なのは、
「自分が何を経験して、何ができるのか」
を分かりやすく書くことです。
例えば、
「ホテルで3年間働きました。」
だけではなく、
「ホテルのフロントスタッフとして3年間勤務し、チェックイン・チェックアウト、予約対応、お客様からの問い合わせ対応を担当しました。」
というように、具体的に書きましょう。
さらに、
「その経験を応募する仕事でどう活かせるか」
まで考えます。

5.自己PRでは「自分の強み」を伝えよう
自己PRでは、自分の強みを具体的に説明しましょう。
例えば、
「私はコミュニケーション能力があります。」
だけではなく、
「母国のホテルで3年間、お客様対応を担当しました。さまざまなお客様と接する中で、相手の話をよく聞いて対応する力を身につけました。」
というように、経験+強みで説明すると分かりやすくなります。

6.志望動機は「なぜこの会社なのか」を考える
志望動機では、
「なぜ日本で働きたいのか?」
だけではなく、
「なぜこの仕事なのか?」
「なぜこの会社なのか?」
まで考えましょう。
例えば、
「ホテルで働きたいから応募しました。」
だけではなく、
「これまでホテルのフロント業務を経験しました。今までの経験を活かして日本のホテルでさらに接客スキルを高めたいと考えています。貴社では外国人のお客様も多く、英語と母国語も活かせると考え、応募しました。」
のように、自分の経験と会社の仕事をつなげます。

7.面接では「自分の経歴を日本語で話す」ことが重要
日本語学校の学生にとって、面接は特に重要です。
面接官から、
「自己紹介をしてください。」
「これまでどんな仕事をしましたか?」
「あなたの強みは何ですか?」
「なぜ日本で働きたいですか?」
「なぜこの会社を選びましたか?」
「将来何をしたいですか?」
などの質問をされることがあります。
そのため、履歴書に書いた内容を日本語で説明できるようにしておきましょう。
「履歴書には書いてあるけど、面接では説明できない」
という状態にならないようにすることが大切です。

8.JLPTだけではなく、「仕事で使える日本語」を準備しよう
JLPTの資格は、日本語能力を示す一つの方法です。
しかし、会社の面接では、実際に日本語でコミュニケーションできるかどうかも見られます。
例えば、
・自己紹介
・電話対応
・敬語
・ビジネスメール
・報告・連絡・相談
・お客様対応
・面接での受け答え
などです。
そのため、
「JLPT N2に合格したから大丈夫」
と考えるのではなく、
「仕事で日本語を使えるようにする」
ことを目標にしましょう。
また、2026年4月15日以降の「技術・人文知識・国際業務」の一部申請では、主に言語能力を使う対人業務等について、CEFR B2相当の言語能力を確認する資料が必要となる場合があります。
求人や在留資格の条件は仕事によって異なるため、応募前に最新情報を確認しましょう。

9.「技術・人文知識・国際業務」で働く場合
「技術・人文知識・国際業務」、いわゆる「技人国」で働きたい場合は、仕事内容だけではなく、自分の学歴・専攻・職歴などが仕事と合っているかを確認することが重要です。
例えば、
・ITエンジニア
・技術者
・マーケティング
・通訳・翻訳
・デザイナー
・一定のホテル・旅館業務
などがあります。
ただし、
「日本語学校を卒業した=技人国に変更できる」
ということではありません。
そのため、応募前に、
「自分の学歴・経験で、この仕事に応募できるか?」
「この仕事内容で在留資格の条件を満たせるか?」
を確認しましょう。
分からない場合は、学校や専門家、出入国在留管理庁などに相談してください。

10.特定技能で働く場合
日本語学校卒業後、特定技能を目指す人もいます。
特定技能には複数の対象分野があります。
例えば、
・介護
・宿泊
・外食
・農業
・飲食料品製造
・建設
・自動車運送業
などです。
ただし、分野によって必要な技能試験や日本語能力などの条件が違います。
そのため、
「特定技能ならどんな仕事でもできる」
と考えず、
「自分が希望する分野には、どんな条件があるか?」
を確認しましょう。

11.卒業までに就職が決まらなかったら?
「卒業までに仕事が決まらなかったらどうしよう?」
と心配する人もいると思います。
まず、卒業前に学校へ相談しましょう。
大学や、専門士の称号を取得して卒業する専修学校専門課程の留学生などについては、一定の条件を満たす場合、卒業後も「特定活動」で継続して就職活動ができる制度があります。
一方、日本語学校の卒業生については、大学・専門学校卒業者向けの制度をそのまま利用できるとは限りません。
そのため、
「卒業してから考える」のではなく、卒業前に確認すること
が大切です。
自分の学歴や在留資格によって利用できる制度が違うため、学校や入管などに早めに相談しましょう。

12.秋に卒業して、翌年4月から働く場合
日本語学校を9月や10月に卒業して、翌年4月から仕事を始めるケースもあります。
例えば、
9月卒業 → 翌年4月入社
です。
この場合、卒業から入社までの期間に、
「どの在留資格で日本に滞在できるのか?」
を確認する必要があります。
内定をもらっていても、すべての人が同じ制度を利用できるわけではありません。
対象者や条件がありますので、卒業時期と入社時期が違う場合は、早めに学校や入管などへ確認しましょう。

13.就職活動が遅くなったらどうする?
「まだ仕事を探していない」
「卒業が近いけど、応募する会社が決まっていない」
という場合も、できることから始めましょう。
STEP 1:自分を整理する
最終学歴、職歴、資格、日本語力、英語力などを整理します。
STEP 2:求人を探す
外国人を採用している会社や、自分の経験・学歴に合う求人を探します。
STEP 3:業界を調べる
希望する業界に外国人需要があるか、必要な日本語力はどのくらいか確認します。
STEP 4:複数のプランを考える
A:やりたい仕事
B:外国人需要がある仕事
C:自分の経験・資格を活かせる仕事
というように、複数の方向を考えます。

STEP 5:相談する
一人で悩まず、学校の先生や就職担当者、外国人向け就職支援サービスなどに相談しましょう。
14.卒業前に確認したいチェックリスト
【仕事について】
☐ 自分がやりたい仕事が決まっている
☐ 自分の経験を活かせる仕事を調べた
☐ 外国人を採用している会社を調べた
☐ 希望する業界の外国人需要を調べた
☐ 必要な日本語レベルを確認した
☐ 必要な資格を確認した
☐ A・B・Cの複数プランを作った

【就職活動について】
☐ 履歴書を準備した
☐ 職務経歴書を準備した
☐ 自己PRを準備した
☐ 志望動機を準備した
☐ 自分の経歴を日本語で説明できる
☐ 面接練習をした
☐ 求人に応募した

【内定後について】
☐ 給料・勤務条件を確認した
☐ 入社日を確認した
☐ 在留資格を確認した
☐ 必要書類を準備した
☐ 卒業後の在留について確認した



15.まとめ:早く準備するほど、選択肢が増える
日本語学校を卒業して日本で働くためには、
求人を探すだけではなく、事前の準備が大切です。
まず、
自分を知る
↓
仕事を調べる
↓
必要な日本語力を確認する
↓
複数のプランを作る
↓
求人に応募する
↓
面接で自分の経験を伝える
↓
在留資格を確認する
という流れで進めましょう。
特に大切なのは、
「日本語を勉強してから仕事を探す」のではなく、日本語の勉強と就職活動を同時に進めることです。
また、
「英語ができるから大丈夫」「N2に合格すれば仕事が見つかる」
「自分がやりたい仕事だけを探せばいい」
と考えるのではなく、
自分の学歴・経験・日本語力・資格と、日本の求人市場を比較することが大切です。
日本で働きたいと思ったら、卒業を待つのではなく、今日から少しずつ準備を始めましょう。
早く調べて、早く準備して、複数の選択肢を持つこと。
それが、日本での就職活動を進めるための大切なポイントです。
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